9月に入り新学期が始まりました。例年ならばまだまだ暑くて、夏の名残りがいっぱいの時期なのに今年は勝手が違うようです。やはり、異常気象なんですかね。今年の8月の1か月の日照時間は例年の50％にも満たない状況で、野菜や作物に影響が出ており、一部高騰が報告されています。
我々料理人は、いつも自然と対峙していることを痛感させられる一面です。

さて”若き料理人へ”の９回目は、少し難しい？？話です。
皆さんは、牛乳はよく知っていますよね。日常的に飲みますし、厨房でも使いますが牛乳に限らず『乳』と名のつくものは、およそ全てが白いですね。何故なんでしょう？牛も人間も羊もヤギも、哺乳類の乳が白いのは何故なんでしょう？考えた事ありますか？

そんなの当たり前？
『乳』白いのは、乳の中の水分と脂肪分が上手に混ざり合った状態”乳化”しているからです。”乳化”という言葉は、若い料理人の方には、少し難しいかもしれませんが、ドレッシングを作る時、よく混ぜると白っぽくなるのは分かりますよね。これが”乳化”です。

何事にも必ず理由があります。料理においては、調理作業の80％は科学で説明できます。ひとつひとつの「なぜ？」がとても重要です。
「なぜ、そうするのか」「何のためにそうするのか」が分かると、応用も利きます。どんな仕事にもキチンと理由があります。無駄なことは、何もありません。

若い料理人の方々に伝えたい。「なぜ？」「どうして？」を大切にして下さい。”訳もわからないまま、ずっと””みんながそうしてるから”というのでは、進歩がありません、またできません。

変わっていくことが大切です。皆さん自身も料理も、時代と共に時間と共に。その先に必ず素敵なお客様の笑顔が待っています。